ある日、何者かに作り替えられた世界。その謎を探す戦いの旅へ。

人族と魔族が別れて住む世界。

人族は魔法を使えないかわりに、優しさと協調性のある種族だった。

しかし、ある日、世界は改ざる。

『血のホワイトデイ』と呼ばれる大事件のあと、人族は変わってしまった。

なぜか魔法を使えるようになり、優しさと協調性を捨ててしまう。

だが、その変化を世界中の多くの者が気づいていない。

そして、主人公の戦士クロウは、気づいている中の数少ない一人だった。

彼はこの世界が改ざんされた謎を探し求める。

そこで出会い、仲間となるのは。

前魔王の娘アーシェ。

流浪人エルフ女性のサリア。

次々に襲いかかってくる敵を、三人のコンビネーションで切り抜けながら、世界に隠された真実へ迫る。



読みやすい・テンポいい・わかりやすい。

三拍子そろった気軽に読める王道冒険ファンタジーです。

オノマトペを大胆に多用した文体なんですが、これが上手い。

凝った文章より直感的に情景が伝わっちゃうからすごい。

だから文字数を最小限にできるおかげで、読みやすい、テンポがいい、わかりやすい。

そんなライトに楽しめることを追求したような読み味になっています。


もう一つ語るべき魅力は、主人公クロウの名言の数々。

決め台詞的なものですが、これが真似して現実生活で使ってみたくなる台詞が多い。

ギリギリ日常で使えそうな中二病度というのか、そういうラインを攻めてくる台詞なんですよね。

私のお気に入りは、クロウがピンチになってフラフラになりながら言う「今は後悔する時じゃない。自分の守りたいもん守ってから、反省をすればいい。」です。

ギリギリ日常で使えそうだけど、微妙にハードル高いのがポイント。疲労で倒れそうになったときに言ってみたい。

なのでクロウの台詞のいくつかは、私の心の中にある、『一生に一度は言ってみたい台詞』に辞書登録されております。



こんな方にオススメ。

:とにかく読みやすい王道冒険ファンタジーを求める人

:主人公が中二度高めな台詞を吐きながら、バトルするのを見たい方

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