現実の手触りのある物語、生命の重さ

季節の終わりに蝉が落ちながら弱々しく鳴く、よく知る光景の描写から始まり、それについての思索。
私小説的な語り口の小説かと思いきや、だんだんと物語が「ものがたられて」いきます。
恐らくはフィクション、だけど不思議と感じる、生命と死のリアリティ。
じわりとした余韻の残る物語でした!