悪魔か、人間か、それ以上何か。静謐な恐怖が忍び寄るゴシック浪漫ホラー

精神病棟を訪れた、敬虔な修道士が怪異を目の当たりにするゴシックホラー。
難しい題材を難なく扱う筆力と時代考証、手記を巡る方式も魅力的で、ポーやホーソーンなどの雰囲気が好きならそれだけで楽しめます。
精神医学が確立されない時代の暗部を詰め込んだ、悪魔か人間かそれよりも恐ろしいものか不明な輪郭が徐々に現れる静謐な作品でした。