水木しげるにも多大な影響を与えた鳥山石燕の妖怪画を下敷きにしたオムニバスホラー。題材に相応しい幽玄な語りと、現代に翻案しても色褪せない妖怪の描き方が魅力的でした。小松和夫の「妖怪は神と違って人間と一定の契約が結べない」との言を思い出します。愛嬌のあるマスコットではない、恐怖の対象としての妖怪の現れ方がよかったです。