常に音楽が流れているかのように物語が奏でられていく

花の都パリに住むアラブ系移民二世のカリム。
生粋のフランス人で音楽一家に生まれたアントワーヌ。

二人の絆と、音楽へ向かう姿勢が共鳴し、作者の表現力豊かな筆致でドラマチックに物語が奏でられていく。

一貫して出てくるエッフェル塔の描写がとにかく美しい。ラストにはその余韻に二人の若者へのエールと未来への希望を祈らずにはいられない。

読後感の熱いうちに作者お勧めのロンドを聞きたくなるだろう秀作。

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