姫様! それは恋ではないですか!?

グライベリード王国の王位継承者・フィリオーネ姫は勉強嫌い。
家庭教師を立て続けにクビにしたという。
しかし、それは仮の姿。
彼女はただ、お仕着せの退屈な勉強が嫌いなだけ。
本来は知的好奇心が旺盛で、姫としての自覚がめっぽう強いしっかり者なのだ。

そんな彼女の新しい家庭教師をおおせつかったのが、謎の宰相・ライアス。
彼はフィリオーネの知識より一段深い歴史を語り、お茶の時間には隣国の名産品についての知識を伝える。
そんなライアスの授業や、姫だからといって節度を崩さないところに興味を持ったフィリオーネ。
一方、ライアスもフィリオーネが気になる様子。

「順調に恋愛に発展するに違いない!」という読者の予想を裏切るのが、フィリオーネの「姫っぷり」。
ここでいう「姫っぷり」とは、「次期女王の自覚」のこと。
幼いころから次期女王の立場を自覚し、所作や振る舞い、知性まで自発的に磨いてきた彼女は、「ふつうの女の子」にあらず!
恋愛に疎いどころか憧れすらもっておらず、いつか次期女王として、政治を考えた結婚をすることを当然と考えている。
ライアスとの関係も、「いつか宰相として国にほしい人物」「彼を引き抜いた場合、ライアスの出身国との関係は?」と、次期女王モード全開。
しかし、時折「姫様、それは恋ではないですか!?」と言いたくなる心の動きもちらほら出てきていて……。

次期女王として鉄壁のしっかり者だけれど、時折見せる茶目っ気や奔放なところが愛らしいフィリオーネ。そんなフィリオーネに振り回され気味なライアス。

果たしてフィリオーネは恋心を自覚するのか。ライアスは彼女を恋愛モードにできるのか。
レビュー時点では、春の出会いから半年が経過。姫と宰相の12ヶ月、今後も目が離せません!

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