どう見ても両想いなのに……!? じれじれ優雅な恋愛ファンタジー

お互いに相手を意識している(片方は確実にベタ惚れ)はずなのに、もう片方に恋の自覚が全くない。

そんな二人の関係を、読者がハラハラしたりやきもきしたり「あらあらまー」と声を上げたりしながら見守る、ちょっと変わった可愛らしい異世界恋愛小説です。

グライベリード王国の姫、フィリオーネは王位継承権を唯一もつ存在でありながら、勉強嫌いとして国王の頭を悩ませていました。
そこで白羽の矢が立ったのが、この王国の臨時の宰相ライアス。彼の豊富な知識と教養、何よりグライベリードを深く想う心に興味を持ったフィリオーネは、彼を家庭教師に任命し彼から勉強を教わることになります。

勉強や日常のちょっとしたやり取りを通じてライアスが気になっていくフィリオーネ。
そしてライアスも聡明かつ愛らしい彼女に惹かれていきます。

ところが、自分の恋心を自覚しどんどん行動に移していくライアスに対して、あくまで「次期女王」と「宰相」としての関係性を崩さないフィリオーネ。

この感情が「恋」なのかすら気づいていない様子です。

仕事中の相手に差し入れを持っていったり、ダンスを踊ったり、風邪の時に看病をしたり、肩が触れ合ったり転びそうになったフィリオーネをライアスが抱き止めたり。

恋愛に発展しそうな瞬間は多々あるにも関わらず、お互いの気持ちをかき乱すばかりで、なかなか「相思相愛」になりません。

なんとも焦ったい二人なのですが、気品あふれる彼女たちのやり取りは優雅で時に微笑ましく、きっと皆様もこの二人の恋の行方を見守りたくなるはずです。

姫と宰相が過ごす十二ヶ月の結末。
是非見届けましょう!

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