人と共存することを選んだ妖。
しかしその感覚の違いから悩むこともある。
そんな彼らを助けるのが、妖よろず相談所。
そんな妖よろず相談所に、新しく所員に加わったのが冬樺。
明るい夏樹と、人との交流を避ける冬樺。
人間である二人は、それぞれ理由があって、その妖よろず相談所に身を置いている。
「信じて裏切られたら悲しいけど、最初から信用できひんっていうのも、切ないなあ」
「害にしかならない存在、というのがいるんです。正しくは、害を及ぼすために作られた命が」
そんな二人が依頼中に出会ったのは、かまいたちのカマ吉。
「ワレ、ナメとんか?! これで痛い目合わすど」
口は悪いが、霊力の色で悪人かわかるカマ吉。
人と妖が住む古都奈良。話がわかるものもいれば、退治しなければ守れないこともある。
そしてその狭間の中で生きるものは、どちらにも属し、どちらにも属せない。価値観の違う議論には結論がない。そんな中で、彼らはどう生きるのか。