剣と魔法の世界。卒業試験に挑む学生2人に芽生えゆく絆

剣と魔法の世界、フォレスティア。
そのアカデミーで魔法を学ぶ「魔道士クラス」の少年・レヴィスは、「法術士クラス」の少女・フロートと組んで卒業試験に挑むことに。
卒業試験といっても、3か月で世界を巡る壮大なもの。
攻撃系の「魔道士」トップのレヴィスと、防御系の「法術士」トップのフロートの組み合わせは学内で話題を呼んだものの、旅は波乱含み。
レヴィスはある理由から人を遠ざけており、そんな彼の態度にフロートは手を焼き、「連携できるのか」と不安を抱きます。

しかし、誰にでも平等に優しく、また、バトル時には常に自分の力を最大限に発揮し、必要とあらば身を削ることもいとわないフロートの姿は、次第にレヴィスを変えていきます。
そんな変化のなか、次第にレヴィスは実は優しい人物だということも伝わってくるのです。

この物語の一番の見どころは、そんな2人の関係性の変化。
その変化をビビッドに彩るのは、バトルと友人たち。

主人公たちは魔法系なので剣はふるいませんが、彼らが相対する敵は巨大なシーサーペントやゴーレム、術士である教師たち。
剣士と共闘したり、本来は防御系の術を攻撃に転用するなど、機転をきかせたバトルは迫力満点です。

また、レヴィス唯一の男友達であるボッカ、船上で出会う対照的な女戦士のペア、レヴィスとフロートの関係をきゃっきゃとたきつけるようでいて独自の節度を持つ同級生・シルヴィなど、2人に絡むキャラクターは個性的だったり、「いい味」を出していたり、それぞれに魅力的。
とくにフロートをはじめとする女性キャラは皆、タイプが違うものの、芯が強くたくましい! 見ていて気持ちがいいです。

そんな仲間に囲まれての卒業試験ですが、なにやら陰謀の気配もあり……。
心をじょじょに通わせてきた2人が、どのように立ち向かうのか。
レヴィスの持つ問題は解消されるのか。
今後も波乱はありそうですが、きっと2人なら大丈夫。この2人がどう乗り越えるのか見てみたい。そんなふうに思わせてくれる物語です。

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