愛し方を知らない男の恋の行方。

その男は木材の卸会社木寿屋の社長・涼真、37歳。お見合いを迫られ困っていたところ、嘗ての恋人によく似た女性・咲良に出会います。

新しいクリーンスタッフである彼女は、初出社にウキウキし、初対面の先輩の嫌味にも負けず、お掃除スキルも高い女性。中卒でありながら英語が堪能で、社交ダンスもお手の物。涼真をリードするほどです。積極的、かつミステリアスな部分もあり、とても魅力的なヒロインです。

ことあるごとに元恋人の面影を追う涼真ですが、徐々に咲良自身の美しさに気付いていきます。その生い立ちや育ち方から愛し方を知らない涼真は、そうとは意識せずに酷いことを提案してしまうのですが……。

涼真の硬く閉まった心の扉を、咲良が開いてくれるよう。
いえ、涼真自身が、自らの心の扉を開くことを願ってやみません。

『あの娘が空を見上げる理由』シリーズでの涼真とはまた違った面を見せてくれるこのお話。いつもながら文章力が高く、安心して物語に没頭できます。

お薦めします(^^)!

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