愛と幸せを見つける現代のシンデレララブストーリー……!

 創業百六十年の木材の卸会社木寿屋の社長涼真さんと、クリーンスタッフとして入社してきた咲良さんとの恋物語。
 涼真さんは嘗ての恋人に咲良さんを重ねながら見ています。そんな涼真さんが、今後どのようにして咲良さん自身を見つめ溺愛していくのか……? 二人の距離の縮まり方が絶妙で、ときめく要素が、カラフルな金平糖のように可愛らしく散りばめられています。

 二人が出会った後、月夜の下で情熱的なダンスをするシーンがとてもロマンチックでした。タップする音や背景音楽が聴こえてきます。ぜひ映像作品としても観たいです。
 また、情景や心情の描写が、さり気なくも丁寧に描かれており、登場人物に頷いて共感しながら読んでしまいます。

 キャッチコピーにある「溺愛したくせに捨てるんですね……私が嘘をついたから」という言葉が印象的で、一体どんな秘密を彼女は抱えているのだろうと、今後の展開がとても気になります……!
 ときめきとミステリーが絡んだシンデレラストーリー、必見です!

 2024.5.9 以下、完結、およびおまけエピソードまで読んだ感想になります。

 物語始めの段階では、二人の恋の行方が気になっていたのですが、じわじわと迫るミステリー&サスペンス要素に、終盤ははらはらとした思いで頁を捲りながら物語を追いかけることになりました。胸きゅんだけではない、登場人物に対して心配になる気持ちと、切迫感のあるシンデレラストーリーとなっております。
 また、登場人物一人一人の心情や背負っている過去など考えさせられる面もあり、それが二人の恋心にも大きな影響を与えています。おまけのストーリーでは、個人的に気になっていた登場人物だったり、本編では描かれていなかったお話を読むことができたので本当に嬉しかったです。
 素敵な物語を綴ってくださりありがとうございました……! 最後まで読むことができて本当に良かったです。

 読み応えのある現代版シンデレラストーリー、ぜひみなさんも味わってみてください……!

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