爪に宿る魔力で人の資質が見える――そんな独創的な設定がとても新鮮で、読み進めるほどに「色」が心に響いてきます。
つめ研ぎ師のヘンナと、赤いつめのクロー。
二人の出会いから始まる物語は、恋愛・陰謀・ミステリーが絶妙に絡み合い、まるで一本の指先の線をなぞるように繊細で緊張感のある展開が続きます。
とくに、手や爪に関する描写がとても丁寧で、作者様が深く勉強されているのだろうと感じました。
読めば読むほど、爪という小さな世界に込められた美しさと意味に気づかされます。
幻想的でありながら、しっかりと人間の想いが息づく物語。
ファンタジー好きはもちろん、美しい世界観を味わいたい方にもぜひおすすめしたい一作です。
主人公のヘンナは、使い魔の「ロウソン」(ローソンとしないところが素敵)と一緒に「つめ研ぎ師」として生活しています。
この世界は「つめの色」が個人の性格(ここはこれから少しずつ明かされていくらしいです)を表しているようで、「つめ」を話の中心に物語が展開していきます。
とても丁寧で細かな文章表現は、読者が実際に「つめ研ぎ屋」で爪を研いでもらっているかのように錯覚してしまいます。
穏やかに進む物語ですが、雨の中に予期せぬ来客が来て、話があれよあれよと展開していきます。
急いで一気読みするよりも、1日1話、ゆっくりじっくり読むことをお勧めします。って書きながら、僕は続きが早く読みたくて一気に読んじゃいましたけど……^^;
「つめ研ぎ」という、私たちが生活する上で大切な指先に着想が練られている物語です。身近に感じながらも意外性があり、独自の創造力に富んだ素晴らしい作品です。
女主人公ヘンナの、お仕事に対する姿勢や実直な性格には読んでいて気づきがあり、学びがあります。一人ひとりのお客さまに真摯に向き合い続ける姿勢が丁寧に描かれています。また師匠やお客さまは独自の感性や個性があり、その描写が優しく強く表現されています。私も含めて虜になった読者さまはきっと、「ぜひヘンナにネイルしてほしい」と何度願ったか分からないことでしょう。
またこちらの作品はお仕事とも絶妙に絡み合ったラブロマンスが魅力的に描かれています。二人の距離の縮まり方には人柄が表れていて、読んでいて微笑ましい気持ちになりました。二人はそれぞれ仕事の関係で危険な立場にもありますが、今後も乗り越えながら絆を深めていくことを信じています。
ヘンナの使い魔であるロウソンも愛らしく、「わふん」「わひん」と言った鳴き声の表現がいつも可愛らしくて素敵だなと思いながら読ませていただきました。
本作品には心が温かく優しい気持ちになる名言がたくさんあります。アニメとしても観てみたい素敵なお話です。ぜひ皆さまもお手にとって味わってみてください……!
最新話の51話まで読んだ段階でのレビューになります。
ただ物語的には50話で一区切りついていますので、しっかりとした読了感を味わうことができますので安心してください。
世界観としては西洋ファンタジーなんですが、浮ついた雰囲気ではなくて、なんというか日本の時代小説的な静謐とした落ち着いた雰囲気を持つ「静」のファンタジー小説という印象を受けます。というか、小説がもつ雰囲気は「静謐なミステリー」といった感じの落ち着いた雰囲気の物語です。
世界設定も秀逸で、「爪」というものにフォーカスし、それが世界でどういう役割を持つのか? とういうことが徐々に明かされていくのですが、それが少しずつ物語をじんわりと広げいていく感じで……。うーん、ここらへんの読み味も「ミステリー」といえば、ミステリーなんですよね。本当に独特の読み味の小説です。
どうですかね。色々な細部のコダワリ、落ち着いた雰囲気、50話が完結だと仮定した時の読了感のさわやかさ。多分、この小説にハマるのは20代〜30代の女性だと思うのですが、男性が読んでも充分満足感が得られるユニセックス的な文芸寄りの小説だと思います。特にミステリーの雰囲気が好きな人はハマれると思います。是非読んでみてくださいね!