DAYDREAMER

自分の人生を語っていく女王様のチャーミングさと、だからこその終わりの残酷さとほんの少しの救いが輝きを持って飛び込んでくるようでした。
読んでいてとてもドキドキしました。

本作品は、鮮烈な印象を読者に残す作品だ。

物語の表層には、豊かな人生経験を持つ元女王の語りがあり、その言葉一つ一つが我々の心に深く刻まれる。

しかし、この物語の真骨頂は、終章に訪れる驚愕の真実であり、それは読者の心に深く残る。

「人生」とは、「記憶」とは何か、そして、我々はどのようにして自分の現実を選ぶのか。

この小説は、それらの問いに対する一つの答えを提供する。

叙述トリックを駆使したこの作品は、記憶の可塑性と、人が最後に求める「幸せな思い出」という普遍的な願望を巧みに描き出している。

読後も、読者に余韻を長く残す作品だろう。