愛すべき登場人物たちの魅力溢れる奈良時代が舞台のエンタメ恋愛小説

最新30話まで拝読してのレビューです。

作者様は奈良時代の男女の物語において右に並ぶ者がいないほどの名手です。
そんな作者様が選んだ題材は、ずばり「強い女」です。
奈良時代における男女の関係は言わずもがな、ですね。

主人公は佐久良売(さくらめ)という女性です。
とにかく彼女、結婚など断固お断り、武に生きる宣言を堂々としています。
そんな娘を心配する父が縁談を進め、そこに現れたのが真比登(まひと)という武人でした。
しかし、ここに巧妙なからくりが。いや、全く巧妙ではなく、いつばれるのかひやひやしながら楽しく拝読する楽しみもあります。

物語はこの二人を中心に、取り巻きの人物もまたひと癖もふた癖もある個性豊かな面々が揃っています。
中でもメイン二人に付き従う二人、佐久良売には若大根売(わかおおねめ)、真比登には源(みなもと)、がとにかくよいのです!
何がよいかは是非ご一読のうえ確かめてみてください。

あと、おまけ的に時折文末に入る若大根売の土器土器(=ドキドキ)日記も最高ですよ。

奈良時代の物語なんて難しいとか思う必要は全くありません。
色々な意味での戦いもある恋愛小説として素晴らしいエンタメ小説に仕上がっています。

ちなみに作者様のメイン作品等から引き続き登場する人物もいますが、それらを読まなくても十分に楽しめるのでご安心ください。

本当におすすめです。皆さんに読んでいただきたい素敵な物語です。

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