番外編もすべて読了させて頂きましてからのレビューでございます。
鷹使いの宮女が美しい皇子様と恋に落ちます。その恋への落ち方が、とても素晴らしいご著作です。
落ちたのは、皇子様の方ではないのかと思うくらいに美しく、かわいらしいご様子です。もちろん、ヒロインの宮女ちゃんはあたかもヒーローのよう。
冒険活劇と皇室内の一大事件簿を同時に楽しめる、素敵なお話です。
鷹さんたち、生きものさんをお好きな方にもおすすめいたします。
読み始めますと、ヒロインや皇子様の魅力からどこまで読もうか、となってまいりますので、できましたら、お時間のございますときに、どうぞよろしくお願い申し上げます。
最新49話まで拝読してのレビューです。
後宮を舞台にした中華ファンタジーで、第八皇子の天籟と、その夜伽に選ばれてしまった月鈴、この二人が仮初の夫婦となって物語が進んでいきます。
異能を有する月鈴はその能力を駆使して、降りかかってくる火の粉、陰謀、策略、妬み等々、幾つもの試練を乗り越えていきます。
その度に二人の距離感は狭まり、また信頼感は強まっていきます。
本作のジャンルは恋愛です。当然、二人のラブロマンスも楽しめるわけですね。
最新話までで溺愛路線も見えています。
文章は読みやすく、情景や心理描写も優れています。何よりもヒロインの月鈴がとても魅力的で強くたくましく、可愛い女性です。
作者様の描き出すキャラはどれも秀逸です。
様々な要素の詰まったファンタジー作品です。巷に溢れる中華ファンタジーと侮ることなかれ!
ぜひともご一読ください。おすすめします。
かつて栄華を極めた燿国。しかし此処数年、皇子が亡くなる事件が続いていた。
これは、隠国の呪いである――その呪いを解くために、ある日突然第八皇子天籟の夜伽の相手に選ばれたのが、その隠国の末裔で、主人公でもある月鈴だった。
この夜伽が月鈴と天籟の出会いなわけだが――ここから、二人は運命とも言える道を辿る。
この物語で重要なのは、月鈴の能力である。
彼女は、動物の精神に入り込む異能を持って生まれた。それもまた、隠国の末裔が故だという。
その力を持ってして、時に天籟を助け、時に意思疎通を図りと、能力の使いどきは必見である。
また、月鈴は鷹使いの一面もある。彼女が鷹の飛龍と共に行動する様は、毅然として凛として、気風のあるヒロイン像を見せてくれる。
物語は、国を巻き込む騒動まで発展し、二人は巻き込まれいくわけだが、その後にある二人の姿――どうか見届けていただきたい。
オススメです。
鷹使いの宮女と第八皇子の織りなす中華ファンタジーです。
とある夜に、天籟《てんらい》皇子の夜伽役に選ばれた月鈴《ユーリン》ですが、大出世のチャンスにもかかわらずあまり乗り気ではない様子。なぜなら、月鈴の目的は妃になるよりも女官になることが夢だから。
とはいえ、夜伽役に選ばれたのなら月鈴に拒否権はありません。そこに現れる天籟。容姿端麗な皇子になんと月鈴は熱いビンタをお見舞いしてやるのです。
普通ならばここで死罪となるところですが、月鈴は天籟とある約束を交わします。一方の天籟も皇家にまつわる呪いを語り、そこからふたりはさまざまな試練を乗り越えていくのですが……。
後宮ならではの陰謀や策略、宮女同士の嫉妬などなど。持ち前の明るさでそれらを乗り越えていく月鈴、そしてそんな月鈴に徐々に惹かれていく天籟……と、もちろんラブロマンスもたのしめます。
舞台は中華風異世界の後宮。
特殊な能力を持つ月鈴と第八皇子の天籟が、とある事情からかりそめの夫婦となり、物語は始まります。
物語が進むごとに明らかになる陰謀、そして皇家の秘密。
皇位をめぐる策略にハラハラしつつも、度重なる試練の中、徐々に深まる二人の仲に、頬の緩みが止まりません。
時には人の心の醜い部分も描かれますが、作者様のお人柄が出るような優しい筆致のおかげで、ドロドロし過ぎずに読めるのも素敵ですね。
中華後宮ものならではの陰謀を楽しみたい方にはもちろん、異世界ファンタジーがお好きな方、じれじれする恋愛がお好きな方など、たくさんの方にお勧めしたい作品です!
作者さまの作品を読むのは、『日ノ国物語』『アンティークショップ九十九(ツクモ)』に続いて、この『後宮の月恋歌』で3作目です。それから近況ノートの繁殖リタイヤ犬さくらちゃんと暮らす心温まるお話も、いつも楽しみに拝読しています。そして思うことは、作者さまの健気(けなげ)なものに対する、温かく優しい視線です。
今回の作品も、後宮小説につきものの陰謀・粛清・嫉妬の中で、健気でありながら芯の強いヒロインが清々しく描かれています。イケメンの皇子がヒロインに惹かれるのも当然でしょう。ほんとうは、かりそめの夫婦である二人がめでたく結ばれて、可愛い子どもを授かるところまで読みたい気もしますが、(笑)、作者さまの狙い通り、読後は甘々じれじれの余韻に浸るのもいいかもしれませんね。
後書きに書かれておられる番外編、楽しみにしています。