幸福から突き落とされた男が掴むもの

結婚を控えた來と也夜。
幸せになれるはずだった二人を引き裂いたのは、也夜を轢いた車。

だが、結婚届を出せないだけで、來は家族として認められず、一人で病室に入ることすら許されない。
結婚を認めてくれた也夜の父母も、「來と結婚しようとしたから交通事故に遭ったのでは」という始末。

それから二年。
どれだけ時間や出会いを重ねても、いつも思い出すのは、也夜のこと。
忘れたくても忘れない存在に、先の見えない不安。
もがき苦しむ彼がつかむのは、あらゆる人たちの髪だった。

愛する人とできることも、愛してない相手となら出来ることもある。
流されてもがく、來の行く末は。

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