主人公の來(らい)は、結婚寸前の同性パートナーである也夜を事故で失ってしまいます。
失うと言っても、也夜は意識不明になったんであって死んではいない。
でも、自暴自棄になり性に走ったり堕落したりしてしまう來。
そんな中、ビジネスパートナーとして現れた分二と恋愛関係になるのですが……。
もうね、とにかくドロドロしてるんですよ。
愛がこんがらがって迷い過ぎてめっちゃぐちゃぐちゃしているドロドロです。
私は作者の麻木香豆様の事を『ドロドロクィーン』だと思っているのです。
麻木様が書くドロドロは突き抜けてドロドロしていてもはや快感になって来る。
ああ、先がどうなるのか……!?
と気になって、PCを付ければ真っ先に飛んできてしまう。
ある意味麻木香豆中毒ですよ。
これはBLのストーリーなんですけども、BL読んでる感ってあんまりないです。
『家族とは?』という事を訴えている作品にも感じられます。
紙切れ一枚で『家族』になっていなかったからこそ、來と也夜、そして分二はその関係性に翻弄されて行くのです。
大人のBLストーリーとも言えるかもしれません。
ドロドロ好きな方は是非!!
來が選んだ生涯のパートナーは、人気モデルの也夜。同性同士の結婚ゆえ入籍はできないものの、友人や職場の人に祝福してもらい、幸せな結婚式&新婚生活が始まるはずでした。しかし、結婚式前夜に来たとある着信が、思わぬ悲劇の引き金になるのです。
本作は、今の日本が抱える問題を鮮明に描いています。
愛する人と生涯を添い遂げることが同性カップルにとっても簡単ではない現状は、フィクションの中だけであってほしい。そう痛感させられるほど、胸が締めつけられます。
代わりのきかない恋愛と、代わりになるものを求めずにはいられない心の穴。
しんどくてつらいBLでしか味わえない供給に、手を伸ばしてください!
タイトルに、遠回り、とある本作。主人公が歩む道は、実に曲がりくねっていて、どこを目指して歩いていたのか分からなくなっていきます。
以前は未来に真っ直ぐ道が伸びていたはずなのに。どうしてこうなってしまったのかと苦悩します。
でも人の将来に約束されたことなんてないんですよね。いろいろ障害に当たって、精一杯生きていると、それが結果として後から見れば人生の本道になります。主人公は彼の人生の本道を歩んでいます。
辛い目に遭いますし、選び得た幸せも永遠ではないですし、ほろにがいを少し超えているかも。重いドラマを求める読者に十分に応えます。
憂さを晴らすために小説を読むのとは違う、人生を追体験する愉悦がここにあります。
結婚を控えた來と也夜。
幸せになれるはずだった二人を引き裂いたのは、也夜を轢いた車。
だが、結婚届を出せないだけで、來は家族として認められず、一人で病室に入ることすら許されない。
結婚を認めてくれた也夜の父母も、「來と結婚しようとしたから交通事故に遭ったのでは」という始末。
それから二年。
どれだけ時間や出会いを重ねても、いつも思い出すのは、也夜のこと。
忘れたくても忘れない存在に、先の見えない不安。
もがき苦しむ彼がつかむのは、あらゆる人たちの髪だった。
愛する人とできることも、愛してない相手となら出来ることもある。
流されてもがく、來の行く末は。
美容師の來と人気モデルの也夜は、同性同士のパートナー。
結婚式を明日に控えて、幸せいっぱいの二人です。幸せいっぱいの、二人でした。
過去形にしてしまったことで不吉なものを感じた皆様、残念ながら正解です。
よりによって結婚式の前の日、也夜は事故にあって意識不明の重体となってしまうのです。
大きな幸せを手にするはずだったのに、一転して悲劇が。
しかも、悪いことはそれだけでは終わりません。也夜の家族からは、本当は同性同士の結婚には反対だったと心ないことを言われてしまいます。
ただでさえ精神的に参っていたところにこんなことを言われたものですから、來はもうボロボロです。
それでも、生きている以上明日は来るし、生活していかなければならないのが辛いところ。
也夜のことを忘れようと、しだいに堕落していく來でした。
と、ここまでなら、ただ悲しいだけの物語。ですが生きている以上、悪いこともあれば良いことだってあります。
しだいにうまくいっていく仕事や支援者の登場など、悲しいことばかりだった來の人生にも追い風が。
ただ、それで成功したらハッピーエンドかと言われると、それはまだわかりません。
也夜のことは忘れようと思ったものの、彼は意識を失っているとはいえ、まだ生きているのですから。
大きな喜びもどん底のような不幸も体験した來。
そんな彼の人生に、也夜は再び関わってくるのか。そしてその時、二人は以前のように愛し合うことができるのでしょうか。
美容師の來は同性愛者。
同性愛と聞くといい顔をしない人も多く、まだまだ偏見を持つ人がいますけど、來には最愛のパートナーがいて、幸せいっぱい。
同じ同性愛者でモデルをやっている男、也夜とついにゴールインすることが決まったのです。
しかしその晴れの日の前日、也夜は事故に遭ってしまい意識不明の重体に。
これから幸せな日々が始まるってのに、最悪のタイミングです!
さらにそこから、今まで祝福してくれていた人達が本当は反対だったというショッキングな話を聞かされて、來の精神はボロボロです。けど、それでも時間は流れ、日々の生活は送っていかなければならない。
未だ目を覚まさない也夜を待ちながら毎日を生きるか、それとも別れて忘れてしまった方がいいのか。
悩みながら生きる來。
幸せの絶頂から叩き落とされた男の、ヒューマンストーリー。
彼が自らの愛にどんな決着をつけるか、今後の展開が気になります。