あのぬくもりはどこにもないけれど

十五年間、一緒にいた猫ミミが死んだ。
澄夫は、愛猫のための墓をつくる。
ミミとの思い出を振り返りながら。

ところが、その日を境に、なぜか猫の鳴き声が聞こえてくる。
しかもその土地では、「満月の夜になると、猫たちの霊が蘇って彷徨う」という伝説があり…



あったものを失うのは辛い。
けれど君を想って何かをする時、透明であたたかな安らぎがある。
いつまでも、君との思い出を持って歩いて行ける。