真っすぐがいい( ;∀;)

僕はこちらの物語を拝読させて頂き、改めて「真っ直ぐな言葉」の魅力を感じました。

物語が新たに生まれる時、他の作品との差別化で、どんどん新しい着想やキャラを考え、またその行動や思考を奇妙に特殊化してゆく。そうすると、「おっ、なんか新しいかも」と一瞬は歓迎されるかもしれません。ただし、それがどういう危険性を孕んでいるかと言うと、「人の心、大事な想い」を忘れてしまう時があるのです。

多くの人に読んでもらうために新しい世界を作ろうとして、却って人に理解されにくいモノを書いてしまう。創作とはそんなパラドックスに陥る時があります。特に新人賞などで評価が新機軸を欲する時、どうしてもそういう風になりがちです。

でもね、そうじゃないんです。

例え1000年前であろうと、
例え1000年未来であろうと、
「人の心、大事な想い」とは不変であると僕は信じています。

この物語は設定こそ少し特殊で、筆者様の拘りもあります。でもここに生きている人達は、誰もがその人なりに「真っ直ぐ」に生きています。

ひねた人格や、卑劣な人種、嫌悪すべき展開、よくある「ざまぁ」対称な人物はおりません。そんなお手軽なカタルシスで読者様を気楽に獲得する気もなく、とある問題が起こり、それに「真っ直ぐ」にヒロインと周囲の人物達が向き合います。

それはとても難しい書き方。

なぜなら、「みんないい人だね、ありがとう!」なんて単純な書き方をすれば、あまりに説得力がありません。だからこそ、この物語がここまで生き生きとし、時に思わず涙ぐみ、そして感動を与えてくれているというのは、とても素晴らしい事だと僕は思うのです。

お勧め致します。

最後まで「真っ直ぐ」を貫いた物語、僕はとても素敵だと思いました。ラスト3話は一気読み推奨です。僕は鳥肌が立ちました。

皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)

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