燃え尽きて散った灰の中から目覚めるのは、命か、魂か。

作者様のリハビリ作ということで、言っちゃ悪いのですが軽い読み物のつもりで触れました。だがとても美しかった。
紡がれていく命の糸の、ほんの小さな繋ぎ目の話です。不死鳥が人間と絆を結び、でも人の欲望で断ち切られ、そして燃え尽きた世界の片隅でまた結ばれる、という話。ネタバレかな。でもそれだけじゃ済まない炎の美しさが、この作品にはあります。

本作は不死鳥にも人にも名前があります。それが一気に作品を身近なものに、小さなものにした後に、結末で語られる時を遡れるという伝説が一気に大きく広がる。

上品かつ大胆な話、ぜひ読んでみたください。