概要
不安げに怒る娘は命を大事そうに抱えている。
娘が暗い顔で「死にたい」などと呟く。
私も昔、そのような感情を抱いていたことを思いだす。
私も昔、そのような感情を抱いていたことを思いだす。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!上質な「文学作品」を読みたい方におススメです。
若者は年配の者を煙たがるが、その年配者もかつては若者だった。
同じように小さな世界で些細な失敗で「死にたい」と絶望し、それを繰り返して大人になって来た。
そのかつての「死にたい」の残滓を冷えたマグマに例える文章、さすがです。
作者様の文章は今作だけでなく他の作品も「見えないはずの心の生々しい手触り」を感じさせてくれる。
けれど決して「生臭くはない」ので読みやすい。
これまで今作を含めて3作しか読んでいないが、作者様の物語の根底にはいつも「いのち」というものについて考えさせられるものがあるように思う。
そして私は作者様の描く「いのちの香り」に惹かれる。
美しく、芳しく、そして力強…続きを読む