才能とは?愛とは?

才能を開花させたピアニストのゆきと才能はあるが売れない画家の大悟の大恋愛物語。

絵画や音楽について、造詣が深くないのですが、そんな私でも楽しめる物語でした。

まず、読んでいて思ったのは才能って何だ?ということです。明確な点数がないからこそ、評価されにくい。物語序盤で成功をおさめたゆきとは対照的に、大悟は苦悩の日々が続きます。でも、だからといって、大悟に才能がないわけではない。
小説の世界も然り?そこが現実世界とリンクしていて、何だか凄く考えさせられました。

そして、もう一つ、私が凄いとは思ったのは作者の筆力です。表現できないのがもどかしいですが、精緻というか、繊細というか、唸るような文章の連続でした。プロの小説家のレベルに十分達していると思います。いや、それ以上かもしれません。自分が恥ずかしいですw

素敵な物語をありがとうございました。

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