二人の愛、そして芸術(表現)への愛が交差する物語

ゆきと大悟がお互いが惹かれあうだけではなく、各々が「音楽」と「絵画」という愛と向き合っているという二つの愛の物語。

時折二人が現実と理想の狭間で揺れ動き、すれ違ってしまう危うさもあり単純な恋愛物語ではなく、二人の表現者が創造に向き合っていくという奥行きのあるストーリーに魅了されます。

確かな筆致で描かれる音楽や絵画の描写、この物語の最後に見える絵は、そこに奏でられる旋律は何か、二人の行く末を見守りたくなります。

また、作者様の音楽と絵画への確かな造形と解釈から、そちらの解説についても成程と勉強になります。

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