ゴールデンアイに映る世の実相は謎と霊異に満ちていた
- ★★★ Excellent!!!
果たして誰が災いを為す者で、誰が味方なのか? 善と悪が交錯するスリリングな物語が冒頭から紡がれます。
ヒロインは、金色の双眸に、特異な術式を操る半妖の美女。そして彼氏はオッドアイの美青年。しかし、彼は大いなる力を持ち、妖たちに畏れられる存在だった。
──妖術を浴びて絶命した者は、死後八分でほかの妖狐や人間の記憶から消え去る
多彩な妖たちが生死の境で鬩ぎ合い、葛藤する現代ファンタジーですが、特徴は精密に織り込まれたオリジナルの設定で、ネーミングがいずれも秀逸にしてスタイリッシュ。ストーリーが進むに従って、独自の世界観が説明も細かやかに拡大していきます。
ヒロインが用いる「恢術(かいすい)の肆(し)、花夢癒(はなゆむ)」
神秘の森で繙く美しい背表紙の書「吉祥(きっしょう)」
鮮烈な印象を残すアイテムの数々や、それを巡る逸話も練り込まれ、深みと温もりがあります。
予想だにしない現実に直面し、当惑しながらも困難に立ち向かうヒロインが、どんな選択をし、誰を救い出すのか……今後の展開に更なる期待を寄せてしまいます!