二人の運命の糸はあの日から繋がっていた

雪のように真っ白な髪は、かつて人々を苦しめた魔女の証。人々にとって不吉の象徴である白い髪と、無色の華紋を持った二級聖女のマルティアは、周囲の冷たい視線に晒されながら、ひっそりと生きてきました。
自分の正義に酔った人間とは恐ろしいもの。白い髪を持ったマルティア即ち『魔女のような容姿の女』を迫害することに、同じ教会に属する聖女たちは罪の意識を持たないようです。

だが、聖女たちによるマルティアへの仕打ちを許さない人物が現れました。それは教会が長年探し求めようやく見つけた、七色の華紋を持つ大聖女ミシェル様。
高貴で気品に満ちた大聖女様は颯爽と現れ、思いの外がさつなやり方で、マルティアをいじめていた聖女たちを一掃します。
カッコいい! 完全にヒーローの登場です。

タイトルでネタばれてしているので隠すまでもないですが、ミシェル様は実は男。しかもマルティアとは浅からぬ縁があるようで。

不吉な見た目で生まれたため、ひっそりと日陰の花として生きて来たマルティアが、太陽のごとき光を放つミシェルから惜しみない愛を注がれる姿には、「良かったね!」と心から思えます。ミシェルにとってこの愛は、一方的なものではないのでしょうが。

豪快大聖女様(♂)と、天然清楚な二級聖女の純愛をお楽しみください。

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