スチームパンク・ワンダーランドへようこそ!

魔王と勇者の終わらない戦いに疲れた人間たちの国には、歪な階級制度や、英雄を輩出するための学園などがあり、ファンタジーと、蒸気機械技術や鉱石が豊富な錬金街というスチームパンクの、ハイブリッドな世界観だ。
仄暗いのに色鮮やかで、アグレッシブで常にトップスピード。
そんな『真夜中の遊園地』のような物語は、刺さる人にはドハマりする不思議な魅力にあふれている。

ソレイユは素晴らしい料理の技術と、そしてラブリィちゃんへの揺るがない恋心でもって、高級ショーレストランを経営している。
そしてラブリィちゃんことアーサーは、顔だけは超一流の、非常に胡散臭い男だ。感情が読めず、コメディアンなのに笑えない。
この異様な存在感の答えを知ったら、あっと驚くことだろう。

これは『バル・ガラクタ』という錬金街のレストランを成功させる、という単純なストーリーではない(蒸気機械と鉱石を組み合わせた料理法ももちろん魅力的だ)。最底辺でも楽しく生きようともがく人間たちの生き様だけでもない(ソレイユと勇者とのバトルは手に汗握ること間違いなし)。

なぜ『笑譚』なのか。
是非最後まで読んで確かめていただきたい。
オススメです!

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