エイリアンと人生を交換⁈ 余韻を味わうSF作品

 これは運命の転機に立ち向かう主人公の物語です。ある日、主人公は寄宿舎で自分と瓜二つのエイリアンと出会います。ただしこのエイリアンは、単なる異星人とはちょっと違う存在。彼は入れ替わることを提案し、主人公は思い切って承諾するのです。

 読みやすい文体に誘われて読み進めると、読者は一体どのような結末を迎えるのかと、期待と不安を抱えながら物語の展開を追うことでしょう。主人公が自らの運命と向き合い、理不尽で残酷な世界を知っていく様子には、胸に迫るものがあります。

 この小説で一番好きなところは、勧善懲悪でも因果応報でもない結末です。一見してすっきりしない結末かもしれませんが、その『すっきりしなさ』が魅力となっています。読者は自分なりの解釈を持ち、物語の余韻に浸りながら考えをめぐらせることができるのです。

 奇妙な魅力に満ちた世界観と、ひと味違った結末に興味がある方にはおすすめの短編です。是非手に取り、読んでみてください。

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