世界を灼く宿命を背負った少女の道行きに幸いを

この世界は灼かれる運命にある、誰もそれを知らずとも。ただ、その運命に繋がれた紅の乙女だけが知っているのだとしても。
紅の乙女として目覚めたフィアルは、どこかその宿命と「フィアル」という個の間で揺蕩っていたようにも思える。
彼女の周りの世界は優しい。誰も、彼も、彼女に笑う。
‎もっと世界が過酷なら、残酷なものなら、きっと苦悩はなかったのだろう。

それでも彼女は剣を手にする。
世界を灼くために。そしてある人をその前に殺すために。
彼女の剣の先は鈍るのか。
揺蕩う彼女を目覚めさせ、己として確立させるのは誰なのか。

きっとこの恋は世界を変えるのでしょう。
灼かれる運命にある世界の先は、紅の乙女の行先は。
ただ彼女を抱きしめて、幸いあれと願わずにはいられないのです。
ぜひご一読ください。

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