「学生」という立場がよくわかる小説

学生は、自立する力をまだ持っていないから、大人が決めた環境に身を置いている。教室も同級生も担任教師も、大人が選んだものなのだ。
ゆえに、出会いもまた、大人がつくったもの。そういう限られた世界の中での出会いが学生にとっての出会いであり、作中の男女の出会いも、まさにそれだと思う。
限られていることは窮屈だ。しかし、窮屈さは感覚を倍にするものだ。学生は、学生という窮屈さのおかげで、トキメキも倍になる。学生の特権。
作中の男女のトキメキは、学生の時でなければ味わうことができない希少なものに違いない。

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