設定と道具の組み合わせがイイ!

作中に登場する怪談話は、物理的距離感を利用した恐怖演出が使われていると思うが、今作においては、設定と道具の組み合わせにより、時空を超えてやってくる怖さが付加されていて、短い文章の中で効果的に恐怖を感じられるようになっていたと思う。メリーさんの決めぜりを読んだ瞬間は、後ろを振り向けなくなった(本当に)。この恐怖演出がしっかり効果を発揮しているからこそ、その次の微笑ましい展開が、とても愛らしく感じられた。
読者の心に温度差を生じさせることで、独特の読後感を生むことに成功していると思った。