このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(214文字)
夏が終わる時に、ふたりが思うもの。この時期にしか出会えない甘酸っぱさや胸きゅんが、短い中に詰まっています。とっても素敵なお話でした〜!
短い文章の中にギュッと込められた、二人の高校生の想いが良い。男子の告白の言葉をぼやかしているのも、作者の企みが見えて面白い。
学生は、自立する力をまだ持っていないから、大人が決めた環境に身を置いている。教室も同級生も担任教師も、大人が選んだものなのだ。ゆえに、出会いもまた、大人がつくったもの。そういう限られた世界の中での出会いが学生にとっての出会いであり、作中の男女の出会いも、まさにそれだと思う。限られていることは窮屈だ。しかし、窮屈さは感覚を倍にするものだ。学生は、学生という窮屈さのおかげで、トキメキも倍になる。学生の特権。作中の男女のトキメキは、学生の時でなければ味わうことができない希少なものに違いない。
サッと読めて『ムムッ…!』と笑顔で唸ってしまう、そんな夏の終わりの一瞬を切り取った作品。・・・とても短い作品ですが、無理無く風景が思い浮かびます。深く掘り下げた世界観の描写は無いですが、だからこそ2人のセリフの言い回しや受け答えから読者側で色々と妄そ…想像が膨らみますね!。尚、オイラの姪っ子の妄走族はタチネコがどうとか暴走してました。え?姪っ子の中ではまさかの男子校設定!?その発想は、スゲェな…
短い文章中に、丁寧に詰められた青い春。読後甘酸っぱさに身悶えました(≧▽≦)