過去からの追憶が現在に蘇り、禍々しい運命が待ち受ける切ない恐怖譚

本作品は、幼い頃の一つの出来事が、大人になっても尾を引き続ける恐怖を凝縮した物語である。

過去のトラウマと現在の危機が絡み合う様は、読む者の背筋を凍らせる。

ジャスミンの花と香りを巧みに使った演出も見事で、ラストに待ち受ける因果応報。

「白い花はジャスミン」
「黄色い花はカロライナジャスミン」

この意味が理解できた時にドキドキ感を味わうことができた。

日常に潜む非日常の恐怖を描いた、読後感の残る一編である。

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