違うのよ、ロジャー! 溺愛じゃなく、離婚してほしいの!

家同士の思惑で結婚と相成った主人公のキャロル。
世間知らずも手伝って甘い新婚生活を想像していたのだけど、現実は厳しい。
戦場を点々とし、帰城もままならない夫はキャロルの名前すら憶えていない。いや、結婚していることすら時折忘れる。
そんなとき、突如提案されたのが、夫であるロジャーと敵国王女との結婚。
和平のための婚姻を行うため、キャロルは離婚して本家に戻ってこいと言い渡される。
これ幸いと離婚に動き出すのだが……。

ここに来て、夫ロジャーがごねるごねる。

「離婚なんてしない!」
「はああああああ⁉ どの口が言う⁉」

キャロルだけではなく、読者も唖然。
これは、そんなキャロルの汗と涙と努力の物語です。

……一般的に結婚よりも離婚の方が大変とは聞きますが……。
いや、こりゃ大変だ。
特に相手が「え? 俺たちうまくいってたよな?」と勘違いしている場合が一番大変。
どこのなにながどうなったら、そんな解釈ができるのだ、と。
ただ、これ。
場合によっては……第三者視点で見るとコメディになるわけで……。
そのあたりの塩梅が本当にお上手な作者様です。
ぜひ、ご一読を。

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