読み始めた途端に、凍てつく冬の寒さとそこに付随する緊張した空気が文字から匂い立ってきます。
あらすじの通り、寒々しい少女の死から始まる物語。
少女はなぜ死なねばならなかったのか?
その死がもたらしたものは何なのか?
少女にもたらされる死の瞬間まで、目を離す事はできないでしょう。
主人公のユーリックは数少ない女の魔術師の1人であり、まだ従子する立場によるしがらみや困難に遭遇します。が、基本的には彼女1人で立ち向かいます。強い女です。
強いですがどこか儚さを感じる面があり、それが一等彼女の魅力を引き立てます。
重厚な世界観だけでなく、卓越した戦闘描写は圧巻の一言に尽きません。
是非とも最後まで一読して頂きたい作品です。
※1部読了でのレビューです。
第一部まで読んだ時点でレビューを書いています。
魔術が存在する世界で、主人公がひたむきにがんばる重厚なファンタジー作品です。
本作の作者様が書かれる作品は、どれも世界観が精緻に作り込まれていて読みごたえ抜群!
なかでも本作は科学によって裏付けられた魔術が存在し、陰より生まれし妖魔が蔓延り、中国神話もあり……とたくさんの要素によって成り立っています。
これだけたくさんの濃い要素がありながらも胃もたれすることはまったくなく、ストーリーもすっと入ってくるので素晴らしいです。
さらには臨場感のある戦闘シーンやキャラクター同士のかけ合いなどが、秀逸な文章表現によって描かれます。
重厚なダークファンタジーですが、ドキドキするような恋愛シーンもちゃんとあって飽きません。
次へ次へとページをめくる手が進んでしまう。
皆様も、風光明媚かつ奇想天外なこの幻想世界に浸ってみませんか。
第一部完結まで読んでレビューを書かせていただいてます。
軽めじゃなく、重厚なテイストのファンタジー小説が読みたい!
本作は、そんな方におススメの作品です。
中華風ファンタジーではありますが、わたしの印象では西洋風ファンタジーを読みがちな方でも、すんなり入って行ける設定だと思います♪
作中で世界観がしっかりと描かれるので「中華は知らない設定が多くて難しい」と尻込みしがちな方もご安心ください。
とは言えです。
もちろん中華がお好きと言う方にも、面白いのは間違いないです。
とくに師弟関係は、見どころ。師匠と弟子である主人公との関係性。同じ師に師事する他の弟子とのいざこざ。そして恋愛関係。それぞれの思惑が入り混じって進んでいく物語はエンタメとしても申し分ないです。
ユーリックの特殊さが徐々に明らかになっていく展開にもテンションが上がりました!
個人的には、主人公ユーリックとトビの関係がどうなっていくかが気になってます☆
このお話、異世界ファンタジーで中華ファンタジーなのです!
これだけで私の触手はびくんとなり読み進めてしまいました( *´艸`)
その期待を裏切らない面白さ――。
まず、私がこの物語で一番わくわくした部分をご紹介させていただきます。
タイトルにもあるように「魔術師」の物語ですので魔法が活躍するお話で、その源は魔素となります。
そこは比較的多くの作品で取り上げられているのでしょうが、作中で『魔術とは、奇跡ではなく科学である』という言葉が出てきます。
読み進めるとそれがすっごく分かるのですが、その要素が西洋的なファンタジーでなく、中華ファンタジーな部分でもあり面白さを底上げしていて、本当に最後まで面白かったです(^^♪
お話は、主人公のユーリックは自信が望む訳でもなく、魔術師の弟子として生きてきます。
そんなユーリックが魅せられる白き山――。
その憧れ、思いの中。
魔術師として、弟子として、師父ロアンとの係り会いを軸に物語は進んでいく――。
個人的には新しいジャンルの物語として読ませていただき、本当に目の付け所が面白く勉強にもなった作品ですので、読み専さんだけでなく、作者様方も是非覗いてみてくださいませ!
徹底的な男尊女卑社会で生きる、孤児で女であるユーリック。魔術師であるロアン師父のもとで修行しながら、過酷な生を強いられる彼女には、魔術師としての才能、そして秘密があった。
身分社会はもちろんのこと、共に暮らす弟子たちの間にも、才能の有無、優劣、上下があり……そんな生き辛い環境においても、何かと目をかけてくれる兄弟子、トビの存在は大きい。
ユーリックが追い求めるのは、おそらく魔術師としての道ではない。
凍てつく白き山への思い、師父の思惑、トビとの関係。
重厚な世界観だけでなく、手に汗握る戦闘シーンや、キャラクターの心理描写も丁寧に描かれています。
あなたもきっと、この世界にハマるはず。オススメです!
物語はタグに、ダークファンタジーと書いてある通り、絶望的な死から始まります。
紅い瞳を宿した少女、ユーリックは、『神の住む山』と呼ばれる白い山が見える家に住んでいて、その白い山が気になって仕方がありません。
なぜだか、そこには何かがあるような気がするのです。
主人公のユーリックは、日々、師匠のロアンから魔術師になるための指導を受けますが、ロアンの指導は魔術というよりも、肉体を鍛え精神を鍛えること。女の子のユーリックにとっては、かなり厳しいものになります。
この物語は、色々な葛藤を抱えながらも、ひたむきに頑張るユーリックが印象的で、読んでいると感情移入して、応援したくなります。
そして、描写が丁寧なので、戦闘シーンに迫力があります。かっこいいので、そこもおすすめしたい部分です。
まだ2章を読み終えた辺りなので、ユーリックの秘められた過去や、白い山と、どんな関係があるのかが気になります。
魔術師ロアンに師事する少女ユーリックが主人公の中華風ファンタジーです。
魔術師に弟子として育てられることは非常に恵まれているものの、ユーリックはロアンに対して感謝より憎しみや恨みを強く抱いてしまっています。
ユーリックは幾度となく脱走しては、無意識に惹かれる白い山へ向かおうとするのですが、そのたびにロアンに連れ戻されます。そのために、ひどく叩きのめされることも。
なぜユーリックが白い山に惹かれるのか。どうしてロアンは、そこまでしてユーリックを手元に置き続けるのか。
第一部ではそれらを主軸に、ユーリックの魔術師としての成長が描かれます。そしてプロローグで描かれたある少女の死の真実が明かされていきます。
私のイチオシは、ユーリックの師兄であるトビです。
吹雪を連想するどこか冷たくて渇いた物語の中、トビだけは温かい。
ユーリックとの関係が進展するのか気になるところ。今後の物語で、トビがどのような役割を果たしていくのかも注目したいポイントです。
地の文は多めで、一見するととっつきにくい印象を受けるかもしれません。
しかし決して読みづらくはなく、丁寧な戦闘描写に、練り込まれた世界設定などなど地の文が多めだからこそ楽しませてくれる形となっています。
是非とも腰を据えて一読をオススメしたい作品です。
※このレビューは第一部完了時点で書かれました
第一部完了時点でのレビューになります。
衝撃的なエピローグから、ユーリックの出自が明かされるまでの話になります。
とはいえ、断片的です。
彼女は氷の魔術を操ります。
作品世界を彩るのは、凍てつくような白い世界。
厳しい冬の山。
それはまるで、ユーリックそのもののようです。
ロアンとの仲は終始ハラハラしっぱなしでした。
今後も予断を許さぬ感じですね。
第一部後半から、トビが前面に出て来ます。
彼は、温もりの象徴なのだと思いました。
ユーリックとの関係にも変化があります。
地文多めが好きな方は是非。
醸し出す雰囲気とは裏腹に、しっかりとエンタメに寄った構成になってます。
まだまだ謎が深い、作品世界。
第二部を楽しみにしています。