人はそれを愛と呼ぶんだぜ

誰かを殺せば自分は生きられる。しかし、もし死んでしまったら世界の記録と人々の記憶から抹消されてしまう。
あなただったら、ひとを殺せますか?

思考実験じみた設定から広げられる、体感のこもったストーリーから目が離せなかった。淳の選択はフィクションにおける主人公らしい行動であったが、内面が描かれることで臨場感をもって読むことができた。
なにより、主人公のことを忘れないという『代償』を支払ってまで覚えてくれる人がいるというのはとても救いのある物語だと言える。
『忘れてしまっても心に残っているよ……』系の話もあるなかで『覚えてます!!!!』という〆は好みだった。

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