人はいつ死ぬか?人に忘れられたときさ!
- ★★★ Excellent!!!
死ぬはずだった人に1週間の猶予をあげて、他人の命を消費して自分を生かすという選択肢を与える。ただし、自分が死ねば、世界から存在そのものが無かったこととなる。そうしたら、その人はどう動くのだろうか?
その人を動かす要因は様々だろう。『やり残したこと』『追いかけていた夢』『純粋に生への執着』そして、『忘れられる恐怖』。
だが逆に、自分が死んだとして、自分を愛してくれる人が一人残されたら、その人はどう思うのだろうか?
きっと、忘れてくれた方が……。
♢ ♢ ♢ ♢
愛する存在が死にかけている、その人を生かす代わりに、自分は絶対にその人のことを忘れることができない。生かしたはずのその人は、結局すぐに死んでしまった。世界から忘れられて、ただ一人、孤独なままで、愛する人を想い続ける。
忘れることができれば楽だったかもしれない。その人に縛られることなく、普通の生活に戻れたかもしれない。
それでも忘れない、忘れたくない。その人が生きた証を、私は守り続ける。
きっと、覚えていてあげた方が……。
♢ ♢ ♢ ♢
……その人は幸せだろうから。愛する君のために――
僕は、消えるよ。
私は、忘れないよ。
っていうお話し。決して直接結ばれるハッピーエンドではないけれど、それでもこれは、幸せな終わり方なのかもしれない……。