概要
また、新月の夜に
――もう、そんな時期か。
郵便受けの中に黒い洋封筒を見つけ、私は思わず空を見上げた。
月初の喧騒も終わり、空気が少しずつ水気を増す頃に、黒い洋封筒は届く。
内容は、決まって同じ。
次の新月の夜にお伺いします。
この一文だけが、差出人である青年の署名とともに書いてあるだけだ。
メールでも、電話でも、葉書でもなく、封書で送ってくる。
見上げた空はまだ明るく、月齢を知ることはできなかった。
ーーー
一話完結の少し不思議な短編集。
郵便受けの中に黒い洋封筒を見つけ、私は思わず空を見上げた。
月初の喧騒も終わり、空気が少しずつ水気を増す頃に、黒い洋封筒は届く。
内容は、決まって同じ。
次の新月の夜にお伺いします。
この一文だけが、差出人である青年の署名とともに書いてあるだけだ。
メールでも、電話でも、葉書でもなく、封書で送ってくる。
見上げた空はまだ明るく、月齢を知ることはできなかった。
ーーー
一話完結の少し不思議な短編集。