思わず見守りたくなるお話。そう、これは……親心!

明治日本に似た別のどこか、あやかし、鬼、退妖師、そして組紐!なんだかもうこれだけでありがとうございますと言いたくなるこのお話。

自分の置かれた状況の不遇さを自覚していなかったヒロインが、ヒーローとの出会いで徐々に徐々に変わっていきます。
彼女を変えるのはヒーローだけじゃなくてその周りも。生き生きとした登場人物達が諦めきったヒロインにじわじわ影響を与えるのです。

読んでいるうちにヒロインに対して「もっと欲を持っていいんだよ!」と妙な親心が芽生えます。彼女の味方には「いいぞもっとやれ!」、嫌なこと言う人には「塩蒔くぞ!!」と、見守るどころか口を出したく(?)なるほど入り込みました。
なんだったらヒーローに対しても「もうちょっと……こう!」とか「よしよくやった」と言いたくなります。もう出てくる人みんな見守りたい。

続きが凄く気になるのに、中編コンテスト用に「ここからがいいところなのに……!」というところまでで今は止められているので生殺し……しかしそこも楽しみます。楽しんでみせます。

そんな余韻に浸りつつ、続きを読める日を心待ちにしています。

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