算数と数学が致命的にできない主人公。学生時代の私自身とそっくりでした。
小学校1年生の、本当に最初の頃に数問間違えただけで親や教師から「お前は算数ができない」と頭ごなしに言われ、怒鳴られたり暴力を振るわれたりしてさらに萎縮。どんどん自信を失って算数嫌いになりました。本作で算数&数学でできないことを「呪い」と表現する描写がありましたが、まさに親や教師から呪いをかけられたようで、いまだに解けずにいます。
少しでも算数が楽しいと思える要素があれば、もうちょっとできるようになっていたのではないか。そして本作がその要素になり得たのではないか。そんなふうに思わせてもらいました。
私はとっくの昔に学生時代を終え、算数やら数学やらに悩むことは少なくなっていますが、現在進行形で算数・数学がハードルとなり、苦手に感じている学生さんにおすすめしたい作品です。
それから私のように過去、算数・数学に悩まされた人も、本作を読むことが心の救いになるかもしれません…🙏
幼気な主人公は、算数が苦手。
誰にもある苦手意識を克服するのは、実は物凄く難しい。
ただ、ほんの少しの『切掛』があれば。でもその切掛がなかなか見つからない。
不思議な世界に迷い込んだのは、偶然だったのか必然だったのか。
『幸運のインコ』に出会える確率すら未知数のなか、ダンジョンをクリアしてゆくのもまた『才能』らしい。
『生命の遣り取り』を、笑う事勿れ。
幼い者には充分過ぎるほどの試練。そして勇者は強く大地を踏みしめる。
覚悟を決めて準備努力した者にこそ幸運は約束される。それを裏切らない、感動的で極上の物語だ。
カッコ の中は = で凡そ決着。
主人公の中学1年生・帆月は、数学が大の苦手。
とあることから、数学での勝負を持ち掛けられて大ピンチ!
しかし、塾の前で出会った女性に教えられた言葉を唱えると、そこは……。
算数×冒険ものです。
算数問題が解ければミッションに成功でき、解けなければかなりの痛手を背負うことになり……楽しくも過酷ですが、こんなシステムが小・中学生の頃にあったら、もっと数学ができたかもしれないなーと思います(笑)
短編であってもワクワクしながら読むことができて、主人公の成長も見ることができました。
しかし、気になる登場人物がいたりして、ぜひ長編として読みたいな、と思う作品です。
主人公の帆月(ほづき)は、壊滅的に算数が苦手。
他の教科は悪くないのに、算数/数学だけ不思議なくらいボロボロな子っていますよね。
でも、そこに理由があったとしたら……?
そんな帆月は、夢のセカイを訪れて、なし崩しにクエストをこなすことに。
その方法は、数学の問題を解くこと。しかも間違えるとダメージ……えっ、これリスクあるの! クイズRPGのようでありながら、リアルな緊張感が生まれます。
また、クエストを達成する恩恵も。詳しくは本編を読んでいただくとして、算数のできない帆月の秘密が明らかになっていきます。
なんだか不穏な気配もありますが、それがいいアクセントとなってドキドキを生み出しており。先を予感させつつもワクワクする妄想の余地がたくさんあります。
快適に読み進められる文章力、疑問が湧いたら適時に解決されるストレスのない構成、まっすぐ芯の強い女の子。
これは、ぜひ続きが読みたくなる物語です!
まず、とても面白かったです!
物語そのものの面白さ、『数式✕バトル』というユニークな着眼点はもちろんのこと、大人の読者にとっては、別の楽しみ方も見いだせるお話だと感じました。
それは、『算数』と毎日付き合いのあった、子供の頃を懐古できる……ということです。
本作の登場人物達が子供であるからでしょうか、まざまざと思い出しました!
私の場合は、「算数、苦手だったなぁ」という苦い記憶が多いのですが。
その時にこんなに楽しい発想の物語があったら、きっと算数とのむきあい方も変わっていたかもと思いました。
大人になってから、世の中の森羅万象は数式で表せると知りました。
物語を読むことが好きな子供が、数学的な目で世界を見ることができたら、きっと見える世界も広がるのだろうなと、本作を読み終えて考えました。
素敵な物語でした。
九九すらまともに言えない、中学に入学したばかりの十三歳の少女が主人公のお話。
『ガンバレンバレン』
道端で自分を"あやしい者ではない"というお姉さんが教えてくれた、不思議な響きの言葉。
寝る前に疑いつつも唱えた言葉によって、主人公は夢の中で『算数ギルド』と呼ばれるギルドに招かれる。
戦うのも守るのも算数の問題。
そんな不思議なセカイの、不思議な敵たちと戦い、クエストをこなしてランクアップしていく成長物語。
しかし、夢のセカイでありながらも現実にも影響を及ぼすというその怖さもあり、算数ができないと生き残れないという、ある意味デスゲーム要素もある、今作。
児童向け短編小説でありながら、大人も楽しめる、そんな素敵な作品となっております。
算数で戦うという斬新なバトル。
あなたも一度覗いてみては?