第15話までのレビューとなります。
舞台は全自動AIが仕事の多くに実装された近未来の日本。
高校入学早々、クラスメイトを巻き込んでの新部創設を目指す主人公の兎羽(とわ)が早くもそのポテンシャルを魅せてくれます。
リンドブルム部――通称、憑機部(ひょうきぶ)は近未来で躍動するスポーツを超える芸術として名を馳せる注目のニューフロンティア。
コストと顧問、部室の確保など幾多の困難を乗り越えていく兎羽。
彼女の強い信念と憧憬から沸き起こる実行力と交渉力に思わず目を見張ります。
そこで得られる経験と人脈と達成感――物語の序盤早々から多くの現代人に欠けている精神の在り方の大切さを諭されるようで、胸を貫かれるような衝撃を受けます。
常識が通用しない新進気鋭のスーパーランナー。
絶大なる信頼のおける比類なきメカニック。
そして顧問兼コーチの日本一のサポーター。
よきチームメイトに恵まれて、出場するレースというレースで大いに魅せてくれます。
目指す先は――高邁な理想に燃える彼方に輝く星を思わせる幽玄の境地。
信頼と友情とがゆるぎない絆で紡がれる、至高のSFロマン小説です。
主人公の女子高生・兎羽(とわ)は、幼いころに見た宇宙を駆け巡る黄金龍の雄姿に心を奪われた。その龍こそがリンドブルムと呼ばれるレースのために作られた憑依型のロボットであり、兎羽はいつか自分も憑依機の搭乗者となり、レースに出るために高校で奮闘する。
兎羽は物怖じをしない性格で、高校に憑依機クラブを設立するためにメンバーを集め、部室を確保し、顧問の先生を少々強引な手段を使って成功させるが、兎羽の性格がとても積極的で努力家で熱く、思わず声援を送りたくなる。
スピード感あふれるレースも、リンドブルムを巡る人間模様も非常に魅力的。
オススメです(σ・Д・)σ
目標に向かってまっすぐに突き進む主人公の兎羽(とわ)。
まず彼女の存在が爽快で愛らしい!
そして、何事にも興味関心が薄いのに、なりゆきで兎羽と一緒にリンドブルム部(通称憑機部←この通称、かっこいい!)の立ち上げから関わることになってしまった夜見(よみ)。
このデコボココンビだけでも最高なのに、問題ばかり起こす憑闘部に、「部室のスペース貸して♪」と出かけてみたら、そこには闇堂(あんどう)という、名前は怖いけどちょっとツンデレ気味な女の子もいて……!
豪華なキャラたちてんこ盛りで、序盤から軽快にお話が進みます。
そう、「意識のみを機体に送り込み、仮初の肉体を使ってレースを行う近未来スポーツ、リンドブルムレース」という説明だけでも「おもしろそう!」と惹きこまれたのに、それ以上の楽しさをこの作品は与えてくれるんです。
読んで損はありません!
全力でオススメします!
流星のごとく現れた主人公・兎羽ちゃんには
数々の困難を跳ね除けるパワーがあります!🌟
けれど、うら若き乙女たちにはもちろん
葛藤があり、狡猾な部分もあるのです
リンドブルムレースというロボットSFがメインでありながら
彼女たちの心情のリアルさが胸に刻まれていきます
物語の作りも細かく、要所要所で散りばめられていた設定が
後々に生きてきて、ひとつに繋がっていく快感が得られます
その土台があったからこそ、この人である
と思わしめるキャラ作りには脱帽でした
また、リンドブルムについて少し不識なキャラを置くことで、
地の文での説明過多にならず
読者をうまいこと一緒に引っ張っていける内容だと思いました!
まるで『トップをねらえ!』のような
青春スポコンロボット作品だと感じました
架空の近未来スポーツ『リンドブルムレース』。機械の体に魂を憑依させて、生身では到底踏破できないような危険な環境を駆け抜ける競技。
幼少期、リンドブルムレースの熱さに心を奪われた香月兎羽も、リンドブルムレースに出るべく練習を重ねていた。しかしある理由から、中学までは好成績を残せずにいた。彼女は最後の望みを賭けて、最高のコーチがいるはずの高校の門を叩く。
リンドブルムレース部=憑機部を立ち上げ、クラスメイトや先輩、コーチと共に、夢に向かって跳び出していく兎羽は、リンドブルムに全身全霊を傾ける熱血少女。見ていて気持ちのいいアスリートです。また、リンドブルムだけでなく、交通手段であるループスフィア、憑闘=アイアンボクシングなど、近未来を思わせる要素を創造して世界観を徹底しておられるのが非常に魅力的です。SFと青春スポ根ものが融合した作品に触れるのは初めての体験だったので、ワクワクしながら読めました!