この物語のいちばん魅力的なところは、「SF的な技術」と「青春の熱」を自然に溶け合わせている点です。
意識転送、機体レース、学園の部活動……
こうした要素は本来ハードになりがちですが、
作者は兎羽の幼少期からの感情の視点を通して、それらをとても柔らかく描いています。
現実的なハードルもきちんと描きつつ、
諦めない熱さも同時に伝わってきて、
緊張感と可愛らしさが共存しています。
世界観には厚みがあるのに、設定に押しつぶされることなくスッと読めるのも良いところ。
キャラクターの動機が明確で、会話も勢いがあり、続きが気になって思わず追いかけたくなります。
SF×青春×スポーツの熱量が好きな方におすすめです。
幼い少女は、祖父宅で偶然観た太陽系横断レースで、日本代表の黄金のリンドブルムに心を奪われます。そしてその勝利の瞬間に涙するほどの原体験を得ます。 高校生になった少女は、その憧れを胸に学園で憑機部創設を目指します。彼女は友人を巻き込んで突き進みます。少女は廃部状態の憑闘部にのりこみますが、部長と部室をかけて闘いになりますが、彼女はみごと賭けに勝ち、部室を勝ち得ます。さあ、新設憑機部の始まりです。なんと顧問候補は「伝説のリンドブルム『黄彗登龍』を支えたサポーターでした!いったいこれから物語はどうなっていくのか。続きはぜひ皆さんでお確かめあれ。
みんなで『リンドブルム』と呼ばれるロボットに意識を『ダイブ』させて操り、レースを繰り広げる競技『リンドブルム』を通して、メカ心を楽しませてくれつつ人間ドラマ、成長ドラマを繰り広げる名作です。
レースの内容も白熱していて、思わぬ事が納得できるように起きて、心地よい裏切りを楽しみながら読み進めることができます。
また、主人公サイドだけでなく、ライバルもみんな頑張れと言いたくなるほど、多くの登場キャラが魅力的に描かれています。
私はまだ第一章を読み終えた時点でこれを書いていますが、第二章以降がとても楽しみです。素敵な作品をありがとうございます。
(おまけ)
リンドブルムの語源は、恐らくドイツ語のLindwurm、本来は『ニーベルンゲンの歌』に出てきたり、最近ではファンタジーでの露出も増えている竜の仲間だと思われますが、本作では竜型でないロボットもリンドブルムと呼ばれています。