旦那様。 これは仕事ですので、遠慮なく私を抱いてください 時田唯
帝国一級治癒師ハタノは、密かな虚しさを抱えていた。
仕事に追われる日々。 陰口ばかり叩く同僚。
成果を出しても認められず、けれど治癒をせねば患者が亡くなる現実を前に黙々と仕事をする。そんな、ある日――
「女は好きか? 喜べ。童貞のお前に、最高の女をあてがってやる。孕ませろ。断るなら死ね」
帝国最高戦力、雷帝メリアスより命じられた仕事は……”血染めのチヒロ”と呼ばれる女勇者と夫婦となり、子を成すこと。
そんな彼の前に現れたのは、麗しい銀髪の勇者であった。
仕事人ではあるが、 女性経験のないハタノ。
それ以上に仕事人で、 寡黙で、 けれど不器用すぎる勇者チヒロ。
他人には理解されない、優しい夫婦生活が始まった。
※)メイン要素はラブコメです
目次
完結済 全87話
更新
- 第一章
- 1-1.「女は好きか? お前、童貞か?」
- 1-2.「退職金で飲む酒はさぞ旨いであろうな?」
- 1-3.「旦那様はもしかして、ご飯を食べる系の旦那様でしたか?」
- 1-4.「躊躇うことはございません。――これは、仕事です」
- 1-5.「子作りの行為を荒くしようと、優しくしようと、子のできる確率に変わりはありません」 「はへっ?」
- 2-1.「それで結婚したんですか!? あたし以外の人と!」
- 2-2.「旦那様。私達は、夫婦でしょう?」
- 2-3.「旦那様は、私を怖がらないのですね」
- 2-4.「お帰りなさい、チヒロさん」
- 3-1.「先生って、奥さんとデートとかするんですかぁ?」
- 3-2.「旦那様は……私の仕事を見たら、幻滅されるかもしれません。でも、いまの言葉は、嬉しいです」
- 3-3.「デートよりは、慣れていますよ」
- 3-4.「私は”勇者”チヒロ。協力、感謝する」
- 3-5.「旦那様、遅くなりまして申し訳ありません」
- 3-6.「少々、思い知って貰わないといけませんので、ね」
- 3-7.「そこには何一つ、私心も悪意もありません」
- 3-8.「私が抱き締めたいから、抱き締めたいのです」
- 3-9.「男の生理現象です!!!」
- 4-1.「やはり面倒事は性に合わんな。よし判決」
- 4-2.「これは浮気ではありません。正当な診療行為ですので」
- 4-3.「さぞ胃痛で悶絶するだろうな、あの男!」
- 4-4.「チヒロさん。いまの私の妻は、あなただけです」
- 5-1.(普通の夫婦とは、本来あのように心配し合うんでしょうね)
- 5-2.「てゆーか先生も隅におけないねぇ、奥さんがいない間に美女二人に囲まれて……」
- 5-3.「奥さんが家にいなかったらフツーに寂しくない?」
- 5-4.「そんなんで彼氏作ろうとか人生舐め腐ってません!?」
- 5-5.「ぎゅっ、としてください」
- 6-1.「帝都の民として、これ程光栄なことはあるまい?」
- 6-2.「――――、ばんざ――――い!」
- 6-3.「旦那様なら、理解、できますよね?」
- 6-4.「いちいち慣例に従わんと動けんのか貴様等は――っ!」
- 6-5.「すみません。誰か私に、――」
- 6-6.届け。届け。頼む、届け、と。
- 6-7.「おおお、見ろ! すごい、空だぞ!」
- 6-8.「――裁きの光を受けるがいい!」
- 7-1.「アレは胃をきりきりさせておくのが、一番の使い道であろうに」
- 7-2.「私はまだ、あなたの前で、人の形を保てて、いますか?」
- 7-3.「ほんのすこしだけ――勇者をお休みしては、どうでしょう?」
- 幕間1 ―夫婦のとある日常編―
- 幕間1ー1 「何か食べたいもの、ありますか?」
- 幕間1-2 「先生らしい気遣いが込められたもの、などどうでしょう」
- 幕間1-3.「チヒロさん。押し倒してもいいですか?」
- 幕間1-4 「……その言い方は、少々、ずるいです」
- 第二章
- プロローグ(前編)
- プロローグ(後編)
- 1-1.「――しませんっ」
- 1ー2.「旦那様? これは診察ですよね?」
- 1-3.「家に帰ってから責任を取って頂けると幸いです」
- 1-4.「何事も、やってみないと分からない事があるかな、と」
- 1-5.「旦那が困ったら、妻に助けを求めるのも、手ではありませんか?」
- 2-1.「……興ざめだな」
- 2-2.「それでも、治癒師として頑張れますか?」
- 2-3.「そういう相手に出会える可能性も……こうして、あるわけですから」
- 2-4.「うちの妻チヒロで――」
- 2-5.「では、勇者様が宜しければ。よ、宜しくお願いします」
- 2-6.(旦那様の、ばか)
- 3-1.「旦那様とて人なのですから。そういう面があっても良いではありませんか」
- 3-2.「それで、」
- 3-3.「旦那様。少々お手を拝借しても宜しいでしょうか」
- 3-4.「では全部吐いてもらいましょうか」
- 3-5.「あなたの妻は、二度と同じ手ではやられません」
- 3-6.「私とて、人間です。誰が好き好んで――」
- 3-7.「旦那様。……私と、――考えていただけませんでしょうか」
- 3-8.「私も、チヒロさんとずっと一緒にいたいと思っています」×3
- 3-9.「返事も、貰えたようなものですし」
- 3-10.(ああ。私はもしかしたら本当に、妻のことを――……)
- 4-1.「こうでもしないと火がつかないでしょ? あの子達」
- 4-2.「では実力の程を見せて頂いても、宜しいでしょうか」
- 4-3.「チヒロさん。すみませんが、すこし怒っても宜しいでしょうか」
- 4-4.「私の方針は、とても単純なものです」
- 4-5.「だから、お願いします。どうかご協力を」
- 5-1.「それは、……秘密です」
- 5-2.「うちは魔術書と医学書が主で、恋愛本は取り扱ってないんだがねぇ」
- 5-3.「旦那様に嫌がられたら、どうしようかと」
- 5-4.「私は仕事相手として、旦那様の判断は常に正しいと。そう、信頼しておりますから」
- 6-1.「では、始めます」
- 6-2.「――まとめて消えろ。今回、貴様等に出番はない」
- 6-3.「私の手で宜しければ、いくらでも」
- 6-4.「私は、貴様のことが嫌いだからだ」
- 6-5.「私の次に詳しいのはあなたですから」
- 6-6.「――化物め」
- 6-7.「大切な旦那様のお願いです。どんなことでも聞きましょう」
- 6-8.「――悪くない気分だ」
- 7-1.「――お断りさせていただきます」
- 7-2.「――返事はイエスのみ受け付ける。どうする?」
- 7-3.「――余念を挟む理由など、ないだろう?」
- 7-4.(そうか。これは夢か)
- 7-5.「私と、結婚してくれませんか」
おすすめレビュー
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★★★ Excellent!!!
控えめに言って神作! @aioiai
文章構成もしっかりとしていて読みやすいし、何より面白い!
不器用な夫婦の今後から目が離せません! 絶対読むべき神作!
★★★ Excellent!!!
逃げない、勇者たち。 尻鳥雅晶
少し前の話ですけど、有料配信でとあるTVドラマを見ました。「偽装の契約結婚をしたカップルが、やがて……」というラブコメです。恋愛に疎い男女がビジネスライクに接する描写に、夫婦そろってハマったものでした。
この小説にも、そんなテイストを感じています。もちろん、それだけではありません。この作品には独自の深みも用意されています。
あえて現代日本の専門用語を使わない矜持ある描写で浮かび上がる、男主人公が抱える苦悩。それは、現代日本の医療問題(ノンフィクション)そのもの。そしてその苦悩は、やがて異世界勇者が持つ(フィクション)の苦悩とシンクロしていくのです。切れ味のある台詞でそのシンクロが表現される醍醐味は、ぜひご自分の目でお確かめください。
「逃げ恥」にハマったかたと、意義ある異世界モノが読みたいかたにオススメ。
25読/35続にてレビュー。
★★★ Excellent!!!
良き…! @evohachi
なんか、幸せを感じる…