蓋と中身

　堅い物は概して脆い。主人公には、そんな危うさがあった。一見ちゃらんぽらんに生きているかに思える同級生だが、人生なるものをしっかり考えているのはその同級生の方だった。

　主人公の心に、他人を受け入れる柔軟さや寛大さが生まれる瞬間が明確に描写されていて心地いい。

　詳細本作。