超本格派SFロボ小説! 人型機動兵器を駆る公女と搭載AIが格好いい!

故郷を追われ、他の惑星に住む氏族の元に身を寄せる女性主人公ロクサーナと、彼女が起動させる人型ロボット、ブリガンダイン=ヴァージルの奮闘記です。
ロクサーナは王女でありながら凄腕の戦士、更には凄腕パイロットでもありまして、冒頭から盗賊相手に大立ち回りを見せます。
そう、この作品にはロボが出るのです!(超重要)

作者様の、ロボを含むSFへの知識と解釈が素晴らしいです。
ロボの機構、武装、設計思想、出来ること出来ないことがきちんと描写されています。
書き手が少なくなったと言われて久しいSF小説ですが、居るところには居るんだなあと、嬉しい気持ちのなりました。
少なからず工学的、軍事的知識が必要なジャンルですからねえ……。
私も読むのは好きなのですが、書けと言われると10行保たずにお手上げになります。

設定や世界観はもちろんのこと、キャラクターも皆しっかりしています。
強くて美しいロクサーナ、彼女は女性ながらも騎士の一人として、剣を取り操縦桿を握り、前線で怯まず戦います。
時には崖から落ちる子供を助けて、自らが落下することも。
真っ直ぐで正義感溢れるその生き方は、少年漫画雑誌に出てくる主人公のようです。

そして相棒たるヴァージル。彼はロクサーナの乗る人型機動兵器のAIなのです。
口調こそ機械らしい(?)ものの、その戦術や読み合いは人間を遥かに凌駕します。
AIではあるものの、主人であるロクサーナへの忠誠心は折り紙付き。
主を侮蔑する敵へは、機械らしく冷静に、けれども人間のように熱い怒りを持って立ち塞がります。

カクヨムでSF小説をお探しの方がいましたら、是非とも手に取って頂きたい作品です。

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