本格派! しかも読みやすいSFメカアクション!

 SF小説と聞くと、設定が小難しくて読み難いというイメージを持っている人も少なからず居ると思われますが、この作品は設定が凝っているにも関わらず、読み進めるうちにすんなりと頭に入ってくるので、自然体で楽しむことができます。

 心ならずも波瀾万丈の運命を歩むことになった主人公のロクサーナは、正義感が強く腕も立ちますが、未熟な部分も多くて、少々危なっかしい存在です。しかし、それを支える頼もしい相棒が存在し、ふたり(?)の掛け合いは、この作品の見所の一つです。
 そんな二人にマスコット的なキャラクターを加えた一行が力を合わせて数々の厄介ごとに立ち向かっていくのですが、この作品の面白いところは、その障害となるキャラクターたち――善人はもちろん、悪人にも、彼女たちに劣らぬ魅力があるところです。道を踏み外した者たちも、どのような経緯によって、そうなったのかを考えると、なかなかに興味深いものです。
 世界の描写も秀逸で、国家や都市には様々な特色があって、飽きることがありません。
 彼女たちの冒険は、まだ道半ばですが、次はどんな冒険が待っているのかと、今から楽しみでなりません。

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