恋愛小説家、福山典雅さんの才能ほとばしる短編集

短編集です。
主に大学生の恋愛がいろいろな角度から描かれています。
胸がきゅっとするような話の数々。

比喩表現がとても素敵で、
「大陸からの寒波はエクレアにかかったチョコレートみたいに列島を覆い尽くし」
とか
「例えるなら炭火焼きみたいな男で、心の奥に烈々たる熱を秘めながら、落ち着いた大人風に展観せしめている」
とか
もう、胸にずんって突き刺さります。

短編はどれもとてもいいのですが、
第5話 「たまにはこんな」、
そして、福山さんの代表作になっている、「アイトハ」がとても好きです。

「たまにはこんな」に描かれた、寂寥感とか
大人のさみしさを知りつつも、一方では子どもらしくあるところとか
高校生とは違って、やはりもうただ好きっていうだけの恋愛ではなくなっていくところが描かれていて、そこがいいなって思いました。

「アイトハ」。
これは泣けます。
何度読んでも、やはり最後の手紙がとてもいいなと思います。
ぜひ映画化されて欲しい作品の一つです。


恋愛小説家、福山典雅さんの紡ぎ出す透明感のある恋愛話を堪能出来ます!!

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