退廃的なけだるさと明白でない思いと

「何も考えていない」時期ってあってもいいように思います。
そういう、けだるい、明らかでない思考の中、ただ怠惰に過ごす時間。
それが生きる根底となるものを作ることになったりもするんじゃないかな、と。
物語の登場人物の考えは明確ではありません。
もしかして? と考えることも出来ますが、あくまでも「もしかして?」です。
そこがとてもいいなと思いました。
全てを書かずに、雰囲気を描く。
ヒニヨルさんって、雰囲気を描くのがとてもうまいなあと改めて思いました。

何もかも、白日の下にさらさなくていいじゃないですか。
午睡に見る夢のようなものに閉じ込めておいてもいい。

わたしは明るい太陽のもとで眠るとなんか安心するのです。

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