恐怖で読み進めるジグソーパズル

私がこの作品を読んで作者さんの凄さを感じた部分に、さまざまなオカルト雑誌や噂話、掲示板のスレッドなどの記述から関連性ができあがって、それが大きな一つの怪異につながっている……という仕組みにあります。

一つ一つは別の語り手、別の体験として断片的に存在しているのに、読者はそれを読み進めるごとにどんどんと恐怖のイメージが積み重なり、やがて大きな謎とホラーストーリーが完成していく。

恐ろしいのは怖い話なのに、だんだんと創造されていく恐怖のピースからなる全体像に対して「まるで自分が加担している」ように錯覚することで、物語を手放す勿体無さを感じてしまう読み口が斬新で面白いです。

ぜひ読んでほしいです。

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