精緻な設定と十二分の文章力から繰り出されるダークなTS活劇。人死はジャンジャン出るが、死に設定や無駄なキャラは一切おらず全てに意味がある。全てを活かしているが、それでいて絶妙なバランスでギャグ・シリアス・エロスその他諸々のメリハリがついていてスイスイと読める。
正直、これ以上の情報は出したくない。ただ、胸を張って私が今まで読んできたネット小説の中で一番面白い作品だったとは断言できます。
人を選ぶ作品ではあるかもしれないが、選ぶからこそこういったジャンルが苦手な人でもとりあえず手に取ってある程度読んでみて欲しいと思う。
きっと開けると思います。価値観が変わります。人生が豊かになります。
素敵な作品をありがとうございました。
個人的に次に来るTSファンタジーの筆頭作品だと思っています。
まず設定として非常に面白いのが、主人公高橋の『運命』という設定。
どんなに生まれ変わっても必ず16歳で死んでしまう魂を引っ提げて、異世界の薄命エルフのお姫様(幼少期)の中に入っちゃった!
という所から物語はスタートするのですが、そこへ行く手前にも異世界転生モノのなかでも大変に練られた、波瀾万丈な生き方を運命付けられるに相応しい設定が用意されており、そして短命で死んでしまう運命を逆手に取った武器が主人公に与えられているのが作品として非常に優れている部分だと思います。
そして、主人公の16歳までのタイムリミット、命短し血みどろ乙女の道連れとなって出てくる登場人物は片っ端から死ぬ、死ぬ、死にまくる!
そんなスプラッターで血塗られた生き様の中でも、前世から巻き添えになってしまった友人2人、田中と木村と一緒にくだらない軽快なバカ話を隙間に挟みながらも物語は加速度的に進行していきます。
さらに推せる最高なポイントとして、異世界転生では比較的多く見られる主人公が幼い体に入ることで消える、あるいは置いてけぼりになってしまうはずの、元の人格という設定に対してもありったけの熱量のある作者さんからのアンサーが書かれているのですが、ネタバレになるかと思いますので、ぜひとも読み進めて目にしていただきたいと思います。
もっと星付いてもおかしくないでしょうこの作品は!
みんな読むんだ!!!