文字に物語が詰まっている‼︎

2024/1/19
このレビューを書いている時点で⭐︎1014、367人のレビュワー平均が2.76の超高評価作品。
本作を見つけ、最新話まで一気に通しで読んでしまってから
「あぁ、もう続きがない‼︎」
と嘆き悲しみ、もう一度通しで読み終わりこのレビューを書いています。
書き終わったら三周目に行く所存です。

web小説を読んでる時に大当たりを引いたときの喜びをぜひ皆様にもお裾分けしたい。

著者の岸若まみず氏のカクヨムに掲載されている作品3作品ともに共通する魅力に
「心に来る家族(隣人)愛」
「価値観のギャップから生まれるコメディ」
「魅力の詰まった設定をいつまでも読ませるような軽妙な文体」
の要素が挙げられると思うのですが、本作はそれに群像劇要素が加わったことで、まるで文字に血が流れているかのような頼り甲斐のあるファンタジーの気品が生み出されているのが大きな魅力です。

本作の主人公、フーシャンクランは神に愛されているどころか神と間違うほどのカリスマを与えられてしまったために、彼の一挙手一投足すべてが歴史級の出来事になってしまう。という勘違いものの性質をもった本作。

フシャ様という小市民的な人の良さを持ったキャラクターが生み出す大きな物語のうねりの中で、そこに出くわしたキャラクターたちのそれぞれの小さな物語が語られていく。
メインのストーリーが面白いのはもちろんのこと、その周囲の人間の人生を切り取った語りが本当に素晴らしく書かれているのでコメディなのに泣かせる、感動するのに笑わせる。というギャップが軽い文体に乗せられることでいつまでも読んでしまう……読んでしまうのです。

応援しております。